「晴香ちゃん、由紀に会ったの?
由紀は結構マジメな解釈するタイプだから、俺と一緒で丁度いいらしいよ?」
「あの犬みたいな後輩もいるし、由紀ってゆー子と部長さんで上手く中性に戻してるってわけね」
納得したように頷く晴香の言葉を聞いて、雅也が肩を揺らした。
篤は、自分が馬鹿にされたのを悟ったのか、少し不満そうに口を歪めている。
「丁度いいついでに、シンデレラもその人にやってもらえば?そうすれば、あたしだって変に振り回されなくてすむわけだし」
相性のことをいう“丁度いい”は、割と最上級の褒め言葉だと思う。
解釈のために国語の授業まで受けにくるあの子は、きっと結にとっても篤にとってもいい働きをしてくれるはずだ。
何も知らない、バイトばっかのあたしよりもずっといいに決まってる。
そう思って何気なく言った言葉が気に入らなかったのか、篤はますます不満そうな顔になった。
それを見た晴香が、呆れたように息を吐き出す。
「それ、美砂が言っちゃダメでしょ。今までの篤の行動を全部否定することになるじゃない」
「しかも、長い間その子と一緒にサークルやってきた篤が、あの子じゃなくて美砂を選んだんだから。それなりの理由があるんだって思わない?」
「でも……!」


