クリスマスまであと2週間。
年が明けるまであと3週間。
ここだとなかなか降らないけど、雪が降ってるところだってある。
「美砂ちゃん真面目そうだから意外」
「真面目は真面目なんだけどね。省エネなの。ものすごく。利益追求型というか。どこまでも消費者思考というか」
「最小限のエネルギーで最大級の利益を得る。消費者思考のどこが悪いの?」
「別に、悪いとは言ってないけどー?」
何を考えてるのかわからない、曖昧な笑顔を作りながら、晴香が荷物を片付ける。
反対側では、高山さんが小さく肩を揺らした。
「悪くないけど楽しいなって。あたしとは正反対?」
「正反対って?」
「あたし達、エネルギーを使うことに関しては無頓着だから。使いすぎてバテるのも楽しいかな、みたいな」
“あたし達”か。
当たり前みたいに出てきた言葉に、少しひるむ。
どこまでもにこにこして、授業を聞き続ける高山さんの姿が視界に入って落ち着かなかった90分のダメージは大きい。
「バテるまで無頓着なのもレアだけどねー。楽しそうで何よりだわ」


