一瞬驚いた顔をしてからクスクスと笑い出した。氷がカチャンと可愛らしい音を立てる。 「航也らしくないよ?」 「俺らしくない、か」 「うん、言ったでしょ?結婚はお互い仕事がもう少し落ち着いてからにしようって」 確かに。 前にも同じような話をした時に千鶴に言われたのを思いだした。 俺らしくない、か。 ちょっと今日はおかしいかもしれない。 「帰ろうか」