「ま、フツーの出来る女の人は本を見てちゃんと出来るんだろうけど。
雛は人一倍不器用だしな」
「ちょっと航ちゃん!?」
「それをきちんと分かってなかった俺も悪い。だから今日はちゃんと最後まで食べてやるよ」
航..ちゃん...
「あ、あたしも食べる!!」
「クソまずいぞ!?」
「う・・幾らなんでもそんな言い方しなくたって」
「事実を言わないとお前は上達しないからな」
そう言うとまたお箸を動かし始めた。
あたしだって、
そう思いながら口にしたしょうが焼はあまりにもまずくて
残してしまったけれど。
航ちゃんは最後まで残す事無く食べてくれた。


