航ちゃんが謝ってくれた次の日から、本当に何もなかったみたいに
普通に接してくれた。


もちろん、簡単に忘れるなんて出来ないけれど。


でもお互いちゃんとそれは納得したし、相手もいるもん。


そして、あれから航ちゃんはわたしに一切触れなくなった。


言葉は相変わらず優しいし、ううん寧ろ前よりももっと優しくなったかもしれない。

だけど前みたいに頭を撫でてくれたり

肩をかしてくれたり。

手に触れたり、しなくなった。


きっといつまでもわたしが子供じゃないってそう思ってくれたんだと思う。




「そういえば、式の日、決まったよ」

「そ、そっか!いよいよだね!おめでとう!」

いつなの?と聞きながら出来上がったほくほくの玉子焼きを口に入れる。

「3月14日」

「ホワイトデーじゃん!」

「あぁ、で明日と明後日俺は千鶴の家に行くから」

「分かってる!わたしだってデートだもん」

「じゃあクリスマスはお互い別行動だな」

「そうだね」