「いいのか?」

「さっきもメールに書いたけど。今までいっぱい航ちゃんに迷惑かけちゃったもん。
だからそのお返し。その代り!もうあぁいうことしたら今度こそ怒るからね」


「わかってる。俺もなるべくお酒は控えます..」


交渉成立。


わたしたちはまた同居を始めることにした。


「雛」

「うん?」

「ちゃんと大事にするから、お前の事」



上がった手が頭に乗ると思っていたのに、その手はひっこめられた。

きっと航ちゃんなりに、気を使ってくれたんだろうけれど。


あまりにも急に離れてしまったような気がして

“大事にするから”


その言葉がなぜか胸に突き刺さるようにいたかった。