オレンジ色のあかりが本宮君にかかって、いつもより眩しく感じる。
今の言葉は..本当なの?
わたしの聞き間違い?
「倉田が好きだ」
本宮がわたしを好き?信じられなくて、だけどわたしの耳が確かならば
わたしも今すぐに返事をしたい。
「あのね、わたしも」
返事をしたいけれど、ひとつだけ踏み出せない事を思い出した。
おとといの、航ちゃんとの事だ。
あのキスの整理をわたしは出来ていない。だけどわたしの
気持ちはちゃんと決まってる。
「本宮君、聞いてほしい事があるの」
「あぁ」
「わたし、この前」
言わないままの方がいいかもしれないけれど。でもちゃんとそれを
伝えないと前に進まない気がして、全部を本宮君に伝えた。
「でもね、航ちゃん結婚するし、あれは事故なの。事故なんだけど
でもキスをしたのは事実だし」
気持ちがないとはいえ、事故とはいえ
わたしは航ちゃんとキスをしてしまった。それは変わらない真実。
「倉田の気持ちは俺にあるんだろ?」


