「もう航ちゃんってば!ほら、メールしなよ」
「あ、あぁ」
慌てて携帯を出す航ちゃん。やっぱり航ちゃんは航ちゃんだな。
しっかりしてるように見えて実は何処か抜けてるところがあるんだから。
「千鶴さん、凄く嬉しそうだったよ」
「あぁ~そうかぁ?」
「航ちゃん、酔っ払ってるでしょう?」
「俺は、酔ってないっ!」
少し顔を赤くしてわたしを見る。まっすぐな瞳で見つめられるのが
恥ずかしくて下に視線を落とした。
「雛は?デートだっけか?日曜日」
「あ、うん、そうなんだ」
そうだよ、日曜日は本宮君とデートなんだから
「この前見てくれたワンピース着て行くんだ」
「ふぅん」
「遊園地ってワンピースでもいいのかな?」
「そうだな」
「航ちゃん聞いてないでしょう?」
「なぁ雛」
「ん?」
「デート、行くなって言ったら、行かないか?」


