当たり障りのない話をしながら、いつ話そうかと
モヤモヤしてしまう。
「千鶴」
言って、しまおうか
「そうだ、この前私雛ちゃんに何も言わないまま帰っちゃって。
雛ちゃん元気?」
話したいのはそれじゃないはずなのに
雛の名前に思わずグラスを落としかけた。
「あ、あぁ元気だよ。今度千鶴に会いたいって言ってた。
何か今度デートに行くらしい」
「へぇ!雛ちゃんデート行くんだ!」
千鶴が嬉しそうに手を叩く。
そんなに喜ぶ事か?
「同じ学校祭委員の男子らしい」
「航也は会ったことあるの?」
「うん、まぁまぁカッコ良かった」
本当は誰もが認めるくらいかっこいいんだろうけど。
何故か正直に言う事ができない。
「心配?」
「あぁ」


