そうか..



あれが雛の好きな人なのか...



「そろそろ昼飯にしようか」



「そっすね」



得意先回りが一通り済み、時計を見ると既に午後一時を過ぎていた。

後輩のタモツと一緒に会社近くの和食屋に入る。

店内は昼時を過ぎているというのに、未だに賑やかだ。しかもよく見てみると
同じ会社のヤツばかり。

近くでも安くて美味いこの店は、我が社御用達の店なのだ。
勿論、出前もやってくれる。


すぐにお茶を持ってきてくれたおばちゃんにメニューと睨めッしているタモツを放っておいて
ざるそば定食を注文する。


「あ、お、俺は~~~..すみません、俺もそれでお願いします..」


結局同じものを決めるとおばちゃんは元気に返事をして厨房の中に入って行った。



「悩むくらいなら最初から見なきゃいいのに」