「なぁ、莉緒…。もぅ20時過ぎてるぜ? 大丈夫なのかよ」

「大丈夫だよ」

「アホか。親が心配してんだろ?」

「しないよ、心配なんて」


あの人が心配してるのは…

お金と、自分の立場。


父さんと離婚して、キャバ嬢になった母さん。

何もかもが変わった。


あの…優しかった笑顔も、もう見られなくなった。



「…帰ろう、莉緒」

「帰らない」

「帰ろう」

「帰らないって言ってんじゃん!!」


光を見ると、

すごく悲しそうで…


切ない表情をしていた。