あたしと一緒に帰るのは、春樹。
いっつもからかってくる奴だ。
「最近、達哉とはどう?」
「んーまぁまぁ」
「なんだそれっ」
「いいじゃん」
「…莉緒」
「なに」と振り返ると、真っ直ぐな目をした春樹があたしの顔に近づいてくる。
キス──…?
あたしは、とっさに春樹をとめた。
「…ダメ?」
「当たり前だし」
「達哉には言わねぇよ」
「そういう問題じゃない」
「…ふっ。案外、一途なんだな」
「違うよ」
達哉じゃない。
脳裏に浮かんだのは…
光だった。
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