「莉緒ー彼氏呼んでるぜー」
「はーい」
「ヒューヒュー」
「うるさいっ!」
クラスの男子も、
あたしを”莉緒”って呼ぶ。
別に、変なキモチが入ってるわけじゃない。
だって…あたしにだって、彼氏いるし。
向こうにも彼女はいる。
「莉緒、これ昨日言ってたCD」
「わぁっ! これこれ! ありがとう、達哉♪」
達哉(タツヤ)。
あたしの彼氏。
勉強もできて、運動神経抜群で、カッコ良くて、
あたしの自慢の彼氏。
別に…好きなわけじゃない。
嫉妬とかもしないし。
向こうから告白されて、
この人とならやれるかも、って。
そう思っただけ。
実際、向こうもあたしの事本当に好きなのかわかんないし。

