「…名前、聞いてもいい?」 「…篠崎莉緒」 「りお?」 あたしは小さく頷いた。 「俺は…入江光」 「ひかる?」 「そ、光」 「…ふぅん」 女の子みたいな名前だな、なんて思った。 「莉緒はさ、こんな寒い夜に… なんで一人でいるの?」 「…なんでだと思う?」 「んー彼氏にふられた」 「残念」 「じゃあ、一人になりたかったから」 「…半分正解」 「お、やった」 無邪気に、嬉しそうに笑う。