あれから、カズハと梨恋は2人で遊んだ証拠を残すのに必死だった。


「これは2人だけの秘密なの!」


そう言い張る梨恋のおかげで、俺は梨恋の頭に手を置いたまま

着ていた服を被るだけの、ものすごく格好悪い目隠しをされた。


あまりはっきしない、ぼやっとした光だけが見える中で
2人の笑い声だけを聞くのは何だか不思議な気分だ。



その後、そろそろ日も暮れだすんじゃないか、ってくらいまで遊んだ2人が

泣く泣く別れたのは言うまでもない。


ずっと存在を信じてた妖精と別れをすんなりと受け入れられる程、梨恋はまだ、大人じゃなかった。


まだ、小5なんだよな……。


「またいつでも、ここへ来い。例えリコにわしの姿が見えなくとも、わしはここにおる。キョーを通せば会話だってできる!

何も、淋しがることはないのじゃぞ?」


そう言いながら、カズハは梨恋の頭をそっと撫でた。

梨恋が別れを承諾したのは、そのおかげだ。


今日は、カズハに頼りっぱなしだったな……――――