春、恋。夢桜。

 
「今日だけじゃなくて、いつでも好きな時に甘えとけよ!」

「やった!実はね、響兄って格好良いし、頭も良いから、前の学校ですごく評判が良かったんだぁ」

「評判って……。小学生だろーが……」

「いいじゃん、別に!
それでね、だから、そんな響兄にいっぱい甘えられる梨恋はすっごく幸せなんだよ!」


そう言って、梨恋は今日で一番の笑顔を見せた。


「へぇ。梨恋がブラコンだったなんて知らなかったよ」

「そんなこと言ってる響兄だって、かなりのシスコン……でしょ?」

「うるせぇ!」

「ははっ。そんなんだからいつまでたっても彼女ができないんだ!」


コイツ、どこでそんなセリフ覚えてくるんだよ……!


「おい!梨恋!それは大きなお世話……」


俺が最後まで反論しきる前に、梨恋はいきなり立ち上がった。