「わ、わかった!わかっておるから!この手を退けるのじゃ!」


しきりに手を動かす麗華がおかしくて、俺は思わず笑った。


すっと頭から手を離すと、不機嫌そうな麗華の顔がよく見える。


ますます笑いたくなるような反応に、少し癒されながら

手を離した代わりに、俺は麗華に目線を合わせた。


「で?続きは話してくれるか?」


まだ焦った態度をとる麗華が、ゆっくりと口を開いた。


「わしがな、人間になれるやもしれぬのじゃと……」

「は?」

「じゃから!紅姫様がわしに言ったんじゃ!人間に戻れるやもしれぬとな」


麗華は、ムキになって強く言った。

俺は、驚いて何も言うことができない。


でも……――――


「それ、本当なのか?」

「あぁ。そうじゃ。やり方なんぞは難しくてのう……。
紅姫様が説明してくれたが、わしには全く意味がわからんかった!」