「あぁ。そう言えば、まだ言ってなかったやもしれぬのう……」


今まですっかり忘れてたみたいな返事をした麗華は、そっと俺の方に顔を向けた。


そこには、さっきまでとは違った

少し真面目そうな、真剣そうな表情が見える。


「響は、もしわしがこれからも響とこのように話したり、笑ったりできると言われたら、喜んでくれるか?」

「え……?」


突然出てきた言葉に、ついていくことができない。


もう会えないと思ってた麗華にまた会えただけでも嬉しいのに

今日だけじゃなくて、これからも一緒にいられるとしたら……


そんなに喜ばしいことはない。


「どうなんじゃ?響」


いきなり黙り込んだ俺に、麗華が少し不安そうな表情を向けた。


「あぁ。喜ぶぞ。もちろん……」


少し照れくさく思いながらも正直に答えると、麗華はにっこり微笑んだ。


その顔は、今日の中で一番輝いてる気がする。


「そうか!それじゃったら何も問題はない!わしも嬉しいぞ」


麗華は自分で納得してるようだけど、俺にはその理由がさっぱりわからない。


勝手にうんうん、と頷く麗華の頭を、俺はぐいっと上に向かせた。


「おい。勝手に納得してないで、ちゃんと説明してくれないか?」