『何か言いたいことができたら何でも聞いてやる。
1人で考えてるだけじゃもやもやするだけでどうしようもないことも、話せばはっきりするかもしれないだろ?』
『まぁ本当は、今すぐにでも締め上げて吐かせてやりたいところだけどな』
朝、屋上で潤に言われた言葉を、俺は頭の中で1日中繰り返した。
軽く笑いながら言われたその言葉は
すごく潤らしくて、今の俺のことを考えてくれてるものだと思った。
今、無理矢理にでも話をしろなんて言われたって
俺は何も答えられなかったと思う。
それで、また潤を怒らせて、悲しませる。
梨恋を泣かせる。
そんな、無意味な悪循環の繰り返しはごめんだ。
早くどうにかしなきゃいけない。
この状態も、この感情も……――――
麗華がいなくなったことは、俺がどう足掻いたって変わらない事実だ。
俺は、それを大人しく受け入れるしかない。
これもありきたりな考え方だけど、こんな状態でずっとぐだぐだとした生活を続けることなんて
麗華は望んでないと思った。
こんな俺の姿を見たって、麗華は怒るだけだ。
……って、こんなことを想像したって無駄か。
俺は、いつもみたいに薄暗い部屋の中でベッドに横になりながら、ぼぅっと天井を眺めた。