春、恋。夢桜。

「嘘……だ、ろ?」


そこには、白いノートが真っ黒になる程、たくさんの文字が練習してあった。


線、ひらがな、カタカナ、漢字、名前……。


初めの方のページでは1つ1つの文字も大きい。

しかも、それらはいびつに歪んだ線で出来上がっている。


でも、ページが進むにつれてその大きさは一定に、そして小さくなっているし、線も滑らかになっていた。


他のノートも全て見たけど、全てのページが黒で埋まってる。



麗華がどうして、こんなにも早く字を書けるようになったのか。


どうしてこんなにも綺麗な字を書けるようになったのか。



その答えは、こんなにも簡単なことだったんだ……―――