「ん?あぁ。
桜の撤去をしてくれた業者の人に渡されたんだよ。なんか、桜に引っ掛かっていたらしくてな」
2人の会話に反応して、俺は大島を見た。
「よくわからんが、全部の物に『レイカ』と『櫻井響』って名前が書いてあるんだよ」
俺は、不思議そうにそう言う大島の手元を見た。
そこには、よく見なれたピンクのトートバッグがある。
「……じゃない」
「え?」
「『レイカ』じゃない。『カズハ』だ……」
低く言った俺の声に驚いたのか、大島は軽く顔に皺を寄せた。
「何のこと……かな?」
よくわからない、という表情で戸惑い気味に中田が言った。
そんな様子を見たら、この状況で意外に冷静な態度でいる自分が不思議で仕方がなくなってくる。
「櫻井響は俺のことです。麗華というのは友達で……。
その鞄、前にここへ来た時に忘れていったものなんですよ。引き取らせてもらっても良いですか?」
桜の撤去をしてくれた業者の人に渡されたんだよ。なんか、桜に引っ掛かっていたらしくてな」
2人の会話に反応して、俺は大島を見た。
「よくわからんが、全部の物に『レイカ』と『櫻井響』って名前が書いてあるんだよ」
俺は、不思議そうにそう言う大島の手元を見た。
そこには、よく見なれたピンクのトートバッグがある。
「……じゃない」
「え?」
「『レイカ』じゃない。『カズハ』だ……」
低く言った俺の声に驚いたのか、大島は軽く顔に皺を寄せた。
「何のこと……かな?」
よくわからない、という表情で戸惑い気味に中田が言った。
そんな様子を見たら、この状況で意外に冷静な態度でいる自分が不思議で仕方がなくなってくる。
「櫻井響は俺のことです。麗華というのは友達で……。
その鞄、前にここへ来た時に忘れていったものなんですよ。引き取らせてもらっても良いですか?」


