春、恋。夢桜。

 

「お主、名はなんと申すのじゃ?」

「桜井響だ。お前は……カズハ、だったな」

「あぁ、そうじゃ。カズハと呼んでくれて構わんぞ!わしもお主のことはキョーと呼ぶ」


カズハはこっちを向いて、にっこりと微笑んだ。


おかしなところは多々ある。

でも、顔は普通の人間と同じだ。


それなのに、彼女はどこかはかなくて、魅力的だった。


「俺も、少し聞いていいか?」

「あぁ。何でも良いぞ!」

「……お前は、何者だ?」