「その言葉、10年後も、30年後も、50年後も言ってもらえるように、オレ頑張りますね」
!!??
こ、この人わ
何回あたしにプロポーズまがいの言葉を
浴びせるつもりなんだろう?
目の前に、差し出された彼の手に
自分の手を重ねる。
触れた温度で
顔がまた熱くなって
鼓動が速くなる。
でももう
耐えられないほどじゃなくて
今は、心地いい。
クイッと、強く手を引かれ
気付いたら
生方の胸の中にいた。
ギュウッと、優しく抱きしめられて
彼の鼓動の音に包まれる。
「……」
暖かい胸の中で
ホッと、安心出来て息をついた。
「……伊織さん、明日オレ休みなんですけど、うち来ます?」
「!!??」
自分でも驚くほど
身体がビクッ、としてしまう。