「貴梨香は、桑江先輩と一緒に催事です、……由木さんは、生方の入る予定だった所へ行っています」





 遥花も、どこと無く

 元気がないような気がする。





「そっか、先方にはご理解頂けたみたいね」



「はい、鈴木主任も色々尽力してくださっていましたから」





 うわぁ、タイガーか



 生方、復帰して数か月は

 帰って来れないコースになりそう……。





「助かったけど、後が怖いヤツだね……」



「……そうでした、生方大丈夫かな?」



「一皮むけるかもね」





 遥花とあたしは

 顔を見合わせて笑った。



 なんだか

 久しぶりに笑った気がする。



 後で、タイガーに御礼言っておこう。





「あのっ、……伊織さん、聞いてもいいですか?」





 遥花が、あらたまった声で言った。





「どうしたの?」





 まわりを一度見回して

 片手を口に添えて、

 遥花は

 あたしにだけ聞こえるように言った。





「生方に、告白されたんですよね?」



「!?」





 あ~、遥花には

 ちゃんと言わなきゃダメだよな……。