長いようで短かい1週間が経った――





 その夜



 先輩がお風呂から上がってから

 15分くらい待って



 アタシは

 ドキドキする胸を押さえて

 自分の部屋を後にする。





「……」





 一昨日、乃愛のおかげで

 頭の中が半分くらい

 ピンク色に染まっていて

 正直困っている。



 もし先輩と今夜

 そう言うことになっても

 いいと思えるくらいまで

 ちゃんと覚悟してきたつもりだ。



 お守り代わりに、アタシは

 左手に乃愛からもらった

 水玉のゴムを

 ギュッと、にぎっていた。



 玄関手前のドアで立ち止まり

 アタシは一度深呼吸をする。





 コンコンッ、とノックして





「千川です」





 とドアノブをまわそうとした瞬間





「待て!」





 えっ?



 ドアの向こうで

 印南先輩のストップがかかった。





「千川お前、ちゃんと意味分かって来たんだろうな?」





 !!??





「……」





 あぁ、やっぱり

 乃愛の言う通りだったのかも知れない。