「返事の内容を変えるつもりはない」





 グサッ



 わ、わざわざ呼び出して

 傷口エグること

 ないと思うんですけど?





「……先輩ヒドイ」



「はぁ? ちゃんと最後まで聴いてから言え」



「……はい、すみません」





 気を取り直して





「ただ、お前の今の立場と仕事の重要性が、千川のプライベートまでかかわってきてしまって、あんな聴き方をしてしまって本当に申し訳ない」



「……」





 目の前で

 印南先輩がアタシに頭を下げていた。



 うえぇぇぇ~っ!?



 な、なんで!?

 どうして?





「あ、あのっ、頭を上げてください!」





 先輩がアタシに頭を下げるなんて

 予想外の行動に

 頭の中がパニクッってしまった。



 アタシが恋愛することが

 先輩をこんな風にさせてしまうなんて



 どうしよう





「ウチの会社の、体制の問題の話しで悪いんだが、ちょっとだけ聴いてくれるか?」





 難しそうなお話で

 理解できるかわかりませんが



 アタシは

 コクリと頷いた。