もう一度
乃愛に電話してみるか。
RRRRRRRRRR……
コール5回で
留守電に切り替わる。
やっぱり出ない。
「亜美です、メッセージ聞いたら電話ください」
一応メッセージを残して
通話を切ったけれど
今日はデートなのか
折り返しはなさそうだ。
あぁ、今日はもう
漫画喫茶決定だな……。
お泊りパックには時間が早いし
少しカフェとかで時間つぶそうかな?
そうやって
ふらふらと街を歩いていると
ついつい
昨日のことを思い出してしまう。
『……悪ィ、今ハ考エラレナイ』
ズキンッ、と
胸の奥の傷が痛んだ。
ゴメンではなかったけれど
想いを拒絶された言葉。
本当に、乃愛の言う通り
手っ取り早く
散らされてしまいました。
「……」
じんわりと目の奥からにじんで
涙があふれそうになる。