「どうしよう……」
アタシは、大きな荷物を抱え
携帯電話を片手に
途方に暮れていた。
昨日
あんなことがあってから
先輩の家には居づらいと
荷物をまとめて出て来たものの
乃愛も秋穂ちゃんとも
連絡が取れなくて
行く当てがなくなってしまった。
秋穂ちゃんはともかく
乃愛は、いつも
肝心な時に連絡つかなくて困る。
「……」
今日は
お仕事も家事も
手につかなくてタイヘンでした。
何もかもが遠くに感じて
ボンヤリと時間だけが過ぎていく。
作業をしていたのに
気付いたらボ~ッとしていて……。
『亜美ちゃん大丈夫?』
『体の調子悪いの?』
と、何度も心配されてしまった。
失恋したんです
なんて、言えるわけもなく。
ちゃんとしなくちゃ!
と、思い直してまた
気が付くとその繰り返し。