事の起こりは

 営業フロアへ

 お使いに行った時からだった。





「失礼しま~す、これお願いします」



「はい、いつもご苦労様です、これ加藤部長にお願いします」



「わかりました、他は大丈夫ですか?」



「今日は~、大丈夫みたいよ?」





 営業補佐の柴田さんが

 営業フロアを見回し笑って頷いた。



 いつも

 企画の人へのメッセージメモなんかを

 仕事以外で預かったりすることも

 実はあったりするのです。





「はい、失礼します」





 企画資料窓口の

 柴田さんと2、3言葉を交わして

 今日の分を配達した

 直ぐ後のことだった。





「亜美ちゃん! 待って?」





 廊下に出た所で

 営業補佐の同期

 宇佐美さんに呼び止められる。



 そう言えば

 話すの久しぶり?





「お疲れ様です、宇佐美さん、どうしたんですか?」



「亜美ちゃん、好きな人出来たって本当?」





 えっ?