「えっと、あの……」





 困ったな

 何て答えればいいんだろう?




 愛羅先輩

 カンチガイしちゃってるみたいだし





「……」





 このまま話にのってしまうと

 ウソになってしまうし



 まだ本当のコトを言える勇気もない。



 どうしよう

 えーっと、えーっと……





「……ま、まだ、秘密です!」





 愛羅先輩の目を見て言ってみる

 けっこう必死だ。





「……」



「……」





 だ、ダメかな?





「あぁ~っ! 千川さ~ん、良かったいた~ぁ、頼んでたの出来た?」





 あっ……。



 ちょうど会社から出て来た

 荒北先輩が

 手を振って近づいてきた。



 急いでいるみたいだ。





「あっ、はい今渡しますね?」





 アタシは、急いで鞄から

 荒北先輩のお使いの封筒を

 取り出して渡した。