乃愛が

 アタシの心を見透かすように言った。





「それより、その印南先輩の写真か動画撮ってきた?」





 そう言えば……。



 アタシは

 鞄から携帯を取り出して

 画像データーを確認した。 





「確か、先輩の実家で浴衣をお借りした時に一緒に撮ってもらったかも」



「おぉっ! 亜美の浴衣なんて激レアじゃん見たいみたい!」



「あっ! あった、浴衣になった記念に2人並んで撮ってもらったやつ」





 覗き込んできた乃愛に

 画面を向けて見せると





「わぁ、亜美可愛いじゃん! ……でも、ナニこのヤクザみたいな男は?」





 わかってるくせに

 超低っい声で言うし。





「……印南先輩、ですけど?」



「マジか……、亜美、やめときな泣かされるよ?」





 さんざん告白とか

 あおっておいて、コレ!?



 口元ちょっと笑ってるし

 冗談でもヒドイ。





「乃愛~っ?」



「あたしがイイ男紹介してやるから、合コン行こう、合コン!」



「もう! 協力してくれるんじゃないの~?」





 もう

 乃愛と遊んであげないんだから!