「ナニそれ、同棲? やるじゃん亜美」
土曜日…――
久々に会えた乃愛が
いつになく身を乗り出して
目を輝かせて言った。
引っ越しも落ち着いたから
久々に泊まる予定。
「あくまでも、同居です!」
もう、知ってるくせに
すぐ茶化すんだから……。
「まぁね~、亜美にそんな恋愛スキルなかったよね~?」
「どうせ初恋もまだですよ~だ」
日々生きるので精一杯で
そんなコト考えられなかったし
「そんな拗ねんなよ? 会社の先輩とは言え男の人と2人きりでしょ? イイ機会じゃん」
「……何が?」
乃愛は、ニヤリと笑って
アタシの耳元で囁いた。
「オトナの男の人を知るには、ね?」
「!?」
乃愛の言い方に
アタシは思わず
カァッ、と顔が熱くなり
ガバッ、と彼女から離れて
思いっきり睨んだ。