こうして
印南先輩との同居生活が
スタートした。
秋穂ちゃんには心配をかけないよう
会社の人とルームシェアする
と言うことを告げ。
企画前で忙しい中
お使いの合間を縫って
会社への住所届けを
先輩のお姉さんの住所にしてもらい
役所の手続きや
少ないけど荷物の引越しをして
やっと落ち着いた頃には
8月を迎えていた。
同居のルールみたいなものは
ほとんどなくて
シンプルに朝食と夕飯の用意と
掃除洗濯を先輩の分もするだけ
決まっているのは
お風呂の順番で
アタシが先で先輩が後
くらいだった。
「先輩、おはようございます」
「……ウ~ッス」
先輩は、朝一番に顔を洗うと
テレビをつけ、頭が動くまで
ボ~ッと、ニュースを見る。
だからアタシは
だいたい朝6時起きで朝食を作り
目が覚めた頃の先輩とご飯を食べる。
今日のメニューは
ご飯と納豆と焼きシャケ
大根とわかめ味噌汁と
作ってストックしておいた煮物。
特に美味いとかマズいと言う
感想はないけれど
先輩はキレイに完食してくれる。