「はい」





 って、あれ?

 そう言えば、送るって……。





「……」





 あぁ~っ!



 今日、秋穂ちゃんの家に

 入れないじゃん!



 すっかり忘れていたけど

 そうだった。



 今日、友達の家もダメだったから

 漫画喫茶に行こうとしていたんだ。





「……」





 どうしよう……。



 取り合えずこのまま

 秋穂ちゃんの家まで送ってもらって

 後で、駅前の漫画喫茶まで

 行けば、大丈夫かな?



 ば、バレたら

 印南先輩のことだから

 スゴく怒りそうな気がする。



 別の意味で緊張して

 胸がドキドキいいはじめた。



 上手くかわさないと!





「い、印南先輩は、これから会社に戻られるんですか?」



「あぁ、どうすっか迷ってるとこ、明日朝一で寄るとこあるから、このまま車あった方が楽だし……、残ってる仕事どうすっかな~」



「戻られるなら、……そ、その辺の駅までで大丈夫ですよ? アタシ」





 なんて

 言ってみたりして……。