「……」




 こうやって一緒に住むのも楽しいけど

 アタシは早く自立したい。



 多少気も使うし

 施設とは違って小さなズレが

 やっぱり生じてしまうから



 あと……





「あっ、そうだ」



「どうしたの?」



「明日、栄司来るんだよね……」





 恥ずかしそうに

 秋穂ちゃんが言う。



 栄司さんは

 秋穂ちゃんの彼氏さんで

 会社の先輩だ。



 彼氏さんの家が実家だから

 デートの後たまに

 秋穂ちゃんの部屋に泊まる。



 1Kロフト付きのアパートだから……





「うん、じゃあアタシ明日友達の所に泊まるね」



「ありがとう亜美、いつも悪いね」



「ううん、アタシこそお邪魔しちゃっててごめんなさい」





 秋穂ちゃんは

 優しくて賢くて可愛いから

 男の子にもとてもモテる。



 アタシが男の子でも

 秋穂ちゃんを好きになると思う。



 だから……

 彼女の幸せの邪魔はしたくない。



 月に2、3回

 どこかに泊まる以外は

 とても順調に生活出来ている。



 それが、今のアタシの現状。