一週間前――
「えっ!? あたしが、ですか?」
「そうよ、今日から藤乃さんに、鈴木主任の正式な補佐をお願いするわ」
アイコ先輩は、そう言って
一冊の分厚いファイルを
あたしに差し出してくれた。
「……」
青天のヘキレキ――
ファイルを受け取りながら
頭の中にそんな言葉が
浮かんでしまう。
どうしょう……。
断ることなんて出来ないだろう。
「……あ、あの、アイコ先輩」
「なぁに?」
「あたしで、大丈夫でしょうか?」
この営業補佐の中で
一番仕事が遅いんですけれど?
「あぁ、大丈夫よ」
アイコ先輩は
カラッと笑って言い切った。
「えっ!?」
「だって、芽依ちゃん指名したのタイガーだもん!!」
えぇぇぇぇぇ~っ!!!???
それが
あたしの運命のはじまり?
だった。