そう言って

 ハルト先輩はアタシの手を取り



 アタシの手のひらに

 素早く、その長い指で

 文字を書いた。





「え? ……えっ!?」





 先輩の手と指の感触に

 ドギマギして

 正直、書いてくれた文字が

 うまく頭に入ってこなくて



 えぇっと



 必死で、感触を思い出す。



 えっと、確か……。





『オ・レ、……モ・ス・キ』





 えっ!?





 俺も好き!!??





 驚いて目を見開くアタシに

 ハルト先輩は

 誘うような瞳を細めて笑った。



 そして…






「……!!??」





 軽~く、ちょんと

 アタシの唇に

 先輩の指先が触れて





「続きは後で、な?」





 と言ったきり

 そのまま玄関の向こうにいる

 先輩達を迎えに行った。





「◎▽■@×〇#%~!!!???」





 もうアタシは

 ノックアウト☆ 状態で

 た、立ち上がれない……。





 ヤバい

 シアワセ過ぎる!!





 アタシは

 手のひらに残る先輩の指の余韻と

 書かれてあった言葉の意味に

 酔いしれながら



 両想いになれたシアワセを

 こっそりと

 かみしめた。















 fin