「……辛かったな」 「高校出たらあんな家、出るんだ」 「がんばれ。俺も協力してやるから」 「……ありがとう、先生」 大好きだよ── 思わず口から 出てしまいそうだったけど 抑えた。 ……わたしは、 今のままで別にいいんだ。 「よし、着いた」 先生は エンジンを止めた。 ファミリーレストランだ。 「見つかったらヤバイから、これ着てて」 先生は 自分の着ていた上着を 肩にかけてくれた。