声の主は、さっき接客をしてくれてた女の子だ。
「あぁ、」
シュンはその女の子に返事をするとあたしを見て
「……ごめん、店長に休憩室使えるよう話通してくるから待ってて。
外じゃ寒いだろ」
「ちょっ、シュン、」
呼び止めも虚しく、店の奥へと消えてしまう。
なによ、あたしが帰るって選択肢はないものだと思ってるわけ?
寒くないように気遣ってくれるのは嬉しいよ。
でも……寂しいよ。
バイトだから仕方ない。
そうかもしれないけど、あたしの知らないシュンを知ってるあの女の子が羨ましいし。
しょーもないくらい、妬く。


