契約彼氏


「…そ、そうかな?
最近よく眠れないからかな…?」

「違うだろ?」

「はーるなちゃん。
職員室行くよ?」

「しょ…う」

助かった…。

翔がこなかったら…

今頃私…口走ってたかもしれない。

契約なんて忘れて…

『好き』って。

『好きだ』と素直に言えたなら…

きっと楽なんだろう…。

でも…関係を壊したくないから…

私…臆病だ。

ありがとう、契約…彼氏さん。


「あ、じゃあ俺帰んな!
明日また迎えにいくかんな!」

「うん。ありがとう
じゃあね」


「うん。じゃあな」


そして隼人は
帰っていった。

「ありがとう。
助かった」


「…おう。
行くか!帰ろう。陽菜」


「そうだね、翔…」

私たちは教室を後にした。