陽菜side

今日はいくどなく空一面に星が敷き詰められていた。

そのおかげで、翔の顔がよく見える。

目にかかる前髪を整えて、
翔が口を開いた。

「陽菜、手出して」

翔に言われた通り、手を差し出す。

「そっちじゃない逆、左」

「え、こっち?」

「手の平じゃなくて、裏返して」

翔はポケットから出したものを、私の薬指にはめる。

「やっぱり、ピッタリ」

やだ……私、声出ない。

ビックリしてる?

「もしかして…
いろんな女にあげたと
思ってる?」

「まぁ少し」

「こんな特別な指輪は、
俺が女にあげる最初のプレゼント」

「うん…っ(笑)
最初じゃなかったら困るよっ!!」

「陽菜……」

「んっ?」

「ハンバーグ、また作ってよ」

「いいよ、いつでも作るっ」

ねぇ……

私たちは、
こんな未来を想像していただろうか。

全く知らなかった、
私と貴方……

だから、知りたくなった。
側に居たいと思った。

その度に私は、
涙が止まらなかったんだよ……。

流れ星に込めた願いは、
もしかしたら

本当に叶うのかもしれないね。