契約彼氏


「何のよう?」

重い足を屋上まで運んできたというのにアヤは何にも話さない。

アヤからよんだくせに。

「…………」

「用がないなら帰るから」

「帰っても翔はいないけどね」

は??

「は?」

「あはは。

用って…翔のことよ」

「そんなことはとっくの前にわかってるよ。」

私はさっき以上に苛立ちが込み上げてきた。

「翔さ。言ってたよ~
確か~

あいつ純粋だから手出せねぇとか。
このネックレスいらねぇから捨てようかと思ったとか。
アヤがまた彼女になってくれるなら
……俺は…………

あいつをふるって。」

そっか…

そうなんだ。

ネックレス…捨てようと思ってたんだ。

無理につけてくれてたんだ。

やっぱり
あの、キスも、優しさも、ぬくもりも、全部嘘だったんだ。

もう…………………………………ゲームオーバだね。

私達終わりにしようよ。

あなたの幸せを願って…

今日は二人だけの星を見つけたあの丘へ行こう………。