----バタンッ!
私は、駆け込んだトイレのドアを思いっきり閉めた。
そして、中で屈みながら泣いた。
本当は、泣くつもりなんか無かった。
たとえいじめられても、泣こうとは思わなかった。
でも、あれは耐えられなかった。
みんなで買った、お揃いのクリアファイルだけは・・・。
「たく!どこに隠れた!?あのクズ!!」
私が一人泣いていると、叫ぶ楓の声が聞こえた。
そうか・・・。トイレへ来たんだ・・・。
「あ!ここだけ閉まってる!きっとココに居るんじゃね?」
ヤバッ!バレた・・・。
「ねぇ、由愛。コイツどうする?」
私が隠れているところを見つけた後、楓は由愛に尋ねた。
「そうだね。・・・しよっか」
「賛成!!」
?一体何をする気なの?
私が考えていた、その刹那。
----バシャ~ン!!
いきなり天井から、大量の水が降ってきた。
私はそのことに驚き、ドアを開けてしまった。
「あっ!居た!!何逃げてんの?アンタは、うちらから逃げられないよ?」
ドアを開けた先には、こう言いながら嘲笑的な笑みを浮かべていた。
私はその光景が怖くなり、後ずさりしてしまった。
「逃げられないって、どういうこと?」
「そんなことも分からないの!?
だから、クラス全員からいじめられたくなければ、うちらの奴隷になること!!」


