【完】そこを右に曲がると、~少女館、そこは闇持つ少女の集う場所~




----ドサッ


私はこけた。

自分の席の前で、わざと由愛に足を出されその足につまずいてしまった。


それを見た楓は、


「うわっ!コイツこけた!!キッモ~!」


と、わざと大声で言った。


私はもうどうでもよくなり、無視した。


でも、次に起こった出来事で私はもう無視できる状況じゃなくなった。


「・・・何これ?」


カバンを置き、用具を入れようとした机の中には、バラバラに切り裂かれたクリアファイルがあった。


ただのクリアファイル。

だけど、このクリアファイルは友達になったときに、皆で買ったお揃いのクリアファイルだった。


クリアファイルを見た私は、絶えられなくなりトイレへ駆け込んだ。

我ながら心が弱いと思った。


でも、あのクリアファイルだけはあんな風にされてほしくなかった。

第一、私が昨日机の中に入れっぱなしにしていたのも悪いかもしれない。

だけどまさか本当にいじめられるとは思わなかったから、置きっ放しにしておいた。


それが、間違いだったんだ。