「・・・ねぇ、どうして地味な私と食べようと思ったの?由愛と食べればよかったじゃない」
私はさっきからどうもこの事が気がかりで聞いてみた。
「だから!何度も言ってんじゃん!!奥谷さんは地味なんかじゃないよ。俺からみれば、由愛っていう派手な女の子より、奥谷さんのほうがかわいいと思う」
私は、笑顔でそういった尾畑君に不覚にもドキッ、としてしまった。
きっと今の私の顔は恥かしさで真っ赤だろう。
「・・・よく、そういう恥かしいことをさらっと言えるね」
私は照れていることを気づかれたくなくて、ぶっきらぼうに言った。
「ん~・・・気になってる子には、そういう言葉言っても恥かしいとは思わないんだよね~」
「・・・は?気になってる?誰が?」
私は、さりげなくいった尾畑君の言葉が信じられなくてもう一度尋ねた。
「誰が?って・・・。奥谷さんだよ」
繰り返されたその言葉に、私はドキドキしてしまった。
たぶん、また顔は赤くなっていると思う。
「ハハ!顔真っ赤!!」
やっぱり・・・。
てか、どうして私がコイツにドキドキしないといけないの!?
コイツは、由愛の好きな人なのに・・・。
「・・・もう帰る」
これ以上考えたくなくて、私は屋上を出て行った。
「もう行っちゃうの?」
最後に尾畑君の声が聞こえたけど、私は無視した。
・・・まさか、この時に教室であんなことが起こってたなんて知りもしないで・・・


