「・・・もしも結香様がこの“機械少女”のように、冷たいお心の御方でしたら、この少女のようにしようと思ったのですが・・・。」
臨音さんがあまりにも小さな声で呟くので、私は何を言っているか聞き取れなかった。
「?何を言っているの?」
私はもう一度話してもらおうとして尋ねたが、臨音さんは私の質問には答えずに続けた。
「結香様が普通のお心の持ち主でよかったです。やはり、私の目に狂いはなかった・・・。
結香様、体験しますか?しませんか?」
やはり最初の言葉は聞こえなかったが、最後の言葉は聞こえた。
体験する?しない?
どういうこと?
「あの・・・何を体験するの?」
そう尋ねると、フッ、と笑うような声の後に、
「この少女をですよ・・・。この少女のように、ロボットになってみますか?」
と、少し低い声で尋ねてきた。
「・・・なるわけないでしょ」
私は冷たく言い放った。
「そうですか。すみません。少し冗談がすぎましたね。そんなに警戒しなくてもいいのですよ?」
冗談だと?ふざけんな!!!
私は心の中で呟いたが、言葉にするのはやめた。
どうやら、こちら側が見えているらしい。
「さて、結香様。この“機械少女”を買いますか?買いませんか?」
お馴染みの質問に、私は答えた。
「買いません!!!」