「以上で、“機械少女”の説明は終わりです。」


説明が終わった後、臨音さんは単調に告げた。


「ようするにこの子は、ロボットにされちゃったのね?」


私は尋ねた。

冷静に、あくまでも冷静に。


「そうです。話が通じやすい御方で助かります。いちいち解説しなくてすみますものね」


「それはどうも」


・・・私は、どちらかというと慣れるのが早いと思う。

今は少し慣れてしまった。この環境に。

さっきの子みたいに、私を襲わないと確信したのだろうか?


分からない。分からないけども、今はさっさと全部見て、早く家に帰りたいという気持ちでいっぱいだった。


「結香様は、自分の大好きだった物のせいで、友達がいなくなったら悲しいですか?」


いきなり臨音さんは私に問いかけてきた。

私は意味分からない、と言う顔をしながらも答えた。


「そりゃ・・・、悲しいでしょ」


「ですよね。では、その自分の大好きだった物をこの少女みたいに恨みますか?」


「・・・分かんないよ」


「そうですか・・・。最後にいいですか?
もしも結香様のご両親がお亡くなりになったら・・・、結香様は悲しくて泣きますか?」


「ちょっと!変な質問しないでよ!!悲しむに決まってるじゃない!!泣くに決まってるでしょう?!」


「それはよかった・・・。結香様は普通のお心を持った御方ですね」


「当たり前でしょう!!」


私は最後の臨音さんの言葉に切れそうになりながらも答えた。