少女が町を自転車に乗りながら進んでいると、必ずと言っていいほどこんな野次が聞こえてくる。 「自転車少女だ!!自転車しか友達がいないんだ!!」 こんなことを言ってくるのは、大抵同い年の男の子だけれど、町の人はその野次を聞くたびに、クスクスと馬鹿にしたように笑っていた。 でも、少女はそんなこと気にしていなかった。 自転車に乗れればそれでいいと思っていたのだから。 少女は、自転車が本当に大好きだったのだ----・・・