「もう目を開けていいぞ」


老婆の声が聞こえると、私は直ぐさま目を開けた。


「うむ。ちゃんと人間になっておる」


私は自分の手を見た。


・・・確かに、人間の手になっている。


私は、本当に人間になれたんだ!!



「あ、ありがとう!!」


ちゃんと声も出てる!!

凄い!凄い!!


「浮かれるのはそこまでだ。ちゃんとわしとの約束を守るんじゃぞ」


「分かってます!!」


「なら、いい。お主の横に人形が落ちている。それは、お主自身だ。その人形を無くしてはならぬ」


「・・・無くすと、どうなるの?」


「契約違反として、お主を殺す」


「な!!」


「案ずるな。無くさなければいい」


そういうと、老婆は消えた。


取り残された私は、とりあえず人形を持ち、森に入っていった。