「おやおや。泣く人形を初めて見ましたよ」
泣いている私の目の前に、老婆が笑いながら立っていた。
・・・誰?
私は話すことが出来ないから、目で老婆に訴えた。
「まぁまぁ、驚かないで。わしはお主の味方じゃ。・・・どうだ。あの結香という女に、復讐したくはないかい?」
・・・復讐?
確かに私は捨てられた。
だけど、私は結香ちゃんを恨んでなんか無い。
「意外だね。復讐する気は無いのか・・・。だったら、あの女にもう一度会いたくはないか?」
会いたい。
本当は、今すぐにでも会いたい。
・・・でも、そんなことなんて出来るの?
「出来るんだよ。お主がわしと契約をすれば」
契約?何それ。
「何。安心せぇ。命を取るわけでは無い。・・・ただ、お主にはわしの見つけた訳アリ少女を売って欲しい」
訳アリ少女を売る・・・ですって?
「そうじゃ。・・・嫌、売るとまではいかなくていい。まずは、10体集めて欲しい。そうすれば、お主をあの女に会わせてやる」
ほ、本当!?
「あぁ、本当だ。わしは、嘘はつかない。・・・どうじゃ?やるか?」
・・・それで、もう一度結香ちゃんに会えるのなら、私は・・・やる。


